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けあぼらの心構え(注意点)

ここでは、「けあぼらの心得(注意点)」をお伝えします。ぜひ、お目通し頂けますよう、よろしくお願いいたします。

ケアとボランティアについての理解と心構えの確認を

「ケア」とはもともと「気づかうこと」を意味する言葉です。ただ代わりにやってあげたり与えたりするのではなく、お互いが相手のことを気づかい、支え合おうとすることで、ケアという関係性が生み出されます。また「ボランティア」とはもともと、自由な意思を意味する言葉であす。自ら主体的に、自発性、自己責任のもとで活動するのがボランティアです。 けあぼらは、ケアのボランティアを意味します。
事前に十分情報収集し、依頼者と話し合い、自分が持っている技術や能力が、現地で必要とされているものなのかを十分確認し、準備しましょう。
そしてあなたの「何かしよう」という気持ちが、本当に自己満足で終わらないものなのか、善意の押し付けにならないか、よく考えてアクションにつなげるようにしましょう。
あなたの想いが必要とする人々に届くように。

準備出来るものの確認

食事・宿泊場所について

発災から3ヶ月以上が経過し、被災地の状況にはかなり格差が生じています。ボランティアの場合、食事や宿泊場所の確保は基本的には自己負担が原則ですが、専門性の高いボランティアの場合は、現地で準備してもらえることがあります。 自分自身で手配するつもりで準備をすすめることはもちろんですが、現金を用意し、物品を現地で調達することで、被災地の経済復興につながる場合もあります。
受け入れ先の事情をよく聞き、準備するべきもの、用意してもらえるもの、受け入れの条件などをよく確認しましょう。

交通手段について

現地までの交通手段と費用は自己確保・自己負担が原則と考えましょう。東北地方に向かうボランティアのための格安切符が販売されていることがありますし、首都圏や関西の主要都市から東北地方に向かうバス路線では、回数券が発売されていることもあります。掲示板やお役立ちリンク、インターネットなどを使って調べてみましょう。東北に出かけるボランティアのための乗り合いバスを出しているボランティアセンターもあります。
また、自家用車を使う場合は、現地でのガソリン供給の状況を確認してから出かけましょう。移動の際は、緊急車輌や災害復旧作業の妨げにならないように気をつけましょう。

自分ができる事の確認

登録情報を入力する時、また実際に受け入れ先と連絡をとる時には、自分は何ができるのか、を明確に相手に伝えなければなりません。そのためには、自分にできることは何か、がわかっていることが大切です。また、自分が資格として持っている専門性以外にも、何かしらできることがあると思います。(例えば資格は介護支援専門員だが、マッサージもできる、など)。自分が提供できることをよく把握し、先方に伝えられるようにしましょう。
「過去に経験し、できた事=できること」「やりたいことではなく可能なこと」という視点が大切だということを忘れずに。

【現地での心得】

(1)自分を証明するものを持参する

残念ながら、ボランティアを装った泥棒など犯罪行為をする人たちが出てきています。
ボランティアであることを示す名札や目印をつけ、活動現場では身分証などを提示して、自己紹介をしっかりしましょう。

(2)柔軟な対応を心がけましょう

実際に現地に入ると、当初の予定と違うことや、ケア以外の支援を求められることもありえます。現場のニーズは刻一刻と変化しており、ケア専門職として来たのに別の仕事を振られて苛立ちを感じることもあるかもしれません。しかし、あなたの自己満足のためにボランティア活動があるのではありません。「当事者のニーズ」が何かを考える、ケアの基本に立ち返って、その場にあった柔軟な対応をお願いします。ただし、自分の能力を超えることや、責任が負えないことを依頼された場合には、はっきり「断る」ことも大切です。

(3)相手を尊重する気持ちを第一に

ケアは、排泄、食事、入浴等のお手伝いをする行為だけを意味するのではありません。「心に寄り添うこと」「心から相手を気づかうこと」ができていなければ、「ケア」とは呼べないのです。被災地で対応する方々のほとんどは、先の見えない不安を感じながら日々過ごされています。このような不安に寄り添いながら、相手を尊重し、対応することで、一時的に現地に入っているボランティアが信頼していただけるようになります。例えばお名前の呼び方一つとっても、「おじいちゃん、おばあちゃん」ではなく、お一人おひとりのお名前で呼びかけることで、尊重している態度を示せます。そして、必ず自分の名前を名乗り自己紹介をすること、尊敬を忘れず敬語を使うことも、基本的ですが大事なことです。

また、気づかう対象は、ケアの利用者の方だけではありません。現地のケアワーカーやリーダーのみなさんも疲れきっておられます。ボランティアに指示するリーダーや管理者にまったく余裕がなく、戸惑ったり、怒りを感じたりすることもあるかもしれません。たとえこのような場合であっても、けあぼらには、同じケアワーカーとして、今までの苦労や悲しみをいたわり、尊重し、かかわりを持ち続けようとする姿勢が求められます。 ケアを仕事とする仲間として、現地のワーカーたちが本来持っていたケアの力を取り戻せるように支援するのがけあぼらだからです。

(4)不眠不休で頑張らない

被災地での支援は気持ちも高ぶりますし、使命感や慣れない現場に早く慣れようとするために、精一杯活動することにもなりがちです。しかし、緊張や疲労から体調を崩してしまっては、かえって迷惑になります。労働時間をきちんと決め、時間外にはきっちり休むなど、体調管理に注意してください。

(5)家族、親友等への連絡をしましょう

けあぼらに出かける前には、家族や友人などの近しい人に、ボランティアに参加すること、行き先、期間などを連絡しておきましょう。大きな余震や事故が発生した場合には連絡が不通になる恐れがあることも伝え、その際の連絡方法についても確認しておきましょう。遠方から東北地方に出かける場合、何かあったときにすぐかけつけてもらえる東北近郊の友人・知人に、中間の連絡役をお願いしてもいいでしょう。

(6)他者の批判はやめましょう

ボランティア同士の批判や衝突があると、現場で良いケア関係をつくる妨げとなります。けあぼらや、ケアにかかわる時のモチベーションは一人ひとり違います。自分と別のボランティアとを比較して批判するのは慎みましょう。
また、ケアの方針や考え方の違いから、現地のリーダーやケアワーカーと意見が対立したり、指示通り動かず、自分のやり方でケアを進めてしまったりすると、現地でのけあぼらそのものへの信頼感を壊してしまいます。絶対にやめてください。
現地のやり方や方針に納得できない場合であっても、まずは指示通りに動き、時間をかけて仲間やリーダー、管理者と話し合い、どうすればよりよいケアにできるかを一緒に考えていこうとするのがけあぼらとしての大切な姿勢です。

【ボランティアを行った後】

(1)ぜひ体験の共有を

被災地の応援につながるもう一つの活動は、現地報告です。
一人ひとりの活動の報告は部分的でも、多くの報告が集まれば、被災地のケア状況をきめ細かく把握することができます。また、みなさんの体験や気づきは、次にけあぼらとなる人のためにもとても役立つものになります。
情報交換掲示板

(2)継続は力なり:長い目で捉えていきましょう

阪神大震災ではマスコミへの露出が減ってくるとボランティアが足りなくなりました。しかし、これからの東北で、ケアの現場の人手不足はかなり長く続くと予想されます。現地での人材養成を進める必要もありますが、そのためにも、継続して被災地にかかわり続けるケアの専門職けあぼらが必要とされています。都市で発生し、今回の東北よりも多くの人が支援活動に入れた神戸であっても、ようやく震災前に戻ってきたと言えるようになるには10年以上の月日が必要でした。
「震災は大変だったけど、そのために多くの人が東北のケアにかかわってくれるようになった」と振り返ってもらえるには、繰り返し、継続的にかかわり、支援しようとする、一人でも多くの人が必要とされています。