「けあぼら」とは、東日本大震災にはじまる被害を受けた人々にかかわろうとする、ケアの専門性を持つ人:ケアワーカー(※1)が、効果的に、息長くケア活動が続けられるよう、ケアボランティアの情報提供とコミュニケーション促進を支援するウェブサイト上のプラットフォームです。
けあぼらの仕組みはシンプルです。実際に支援に行けるケアワーカーが自分の情報を登録します。その情報をみた、支援が欲しいケアの現場が直接来てほしいケアワーカーに連絡して、支援を依頼します。そして実際の支援につなげる、というものです。
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- 介護や生活支援だけでなく、広くケアの提供を仕事にしている人を、ここではケアワーカーとします。
ここには、ケア経験の豊かなボランティア活動者も含めています。
けあぼらは、データベースの悪用を防ぐために、データベース閲覧をできる事業者は紹介制を取っています。
けあぼらを利用したい事業者は、プロジェクト事務局にお問い合わせください。
けあぼらの便利なコミュニケーションツール
「こんな時どうしたらいいの?」や「こんな事がありました!」の他、雑談も大歓迎!ボランティアに行く前、行った後にもお気軽に書き込んでください。
一人で行くのは心細かったり仲間と力を合わせたい時には、けあぼらの「チーム」機能がおススメです。 使い方は簡単!名前を決めて状況登録、あとは友達を招待するだけ。チームメンバーだけが見られる掲示板もあります。
けあぼらの思い
けあぼらは、ケアの専門性を持つ人に被災地にボランティアに行ってもらうことを意図しています。
しかし、このような人にはボランティアではなく、仕事として被災地の事業所に入ってもらえるようにするのが本来ではないでしょうか?
多くのケアワーカーが必要とされる被災地では、ボランティアの支援では限界があるのではないでしょうか?
この問いに、けあぼらはこう答えます。
ケアワーカーは、ケアを受ける人のニーズを第一に考えて行動する専門職であるがゆえに、被災地のケアワーカーは被災の当事者であるにもかかわらず、ケアのニーズに対応しようと完全なオーバーワークになっています。けあぼらは、このように、仕事としてケアを提供している同じ専門性を持つ仲間をボランティアとして支える立場から動けます。仕事から離れた支援活動は、ケアする仲間同士の自主的な活動をすすめ、多様な支援の形を実現できます。
被災地の避難所や仮設住宅に介護事業所を併設して、ケアの拠点としていこうという動きが始まっています。しかしそこにケアワーカーが行きわたるにはさらに時間がかかります。十分な経験を積んだけあぼらが一時的にボランティアで入ることができれば、システムの準備段階を支えることができます。
かつて経験のない甚大な被害を踏まえ、できるだけ多くの、息長く被災地とかかわり続けようとする人や組織が必要です。このような息の長い支援は、トップダウンのアプローチだけでなく、ボトムアップの関係づくりも重要です。
「ケア」の語源は気遣うこと、「ボランティア」の語源は自主性です。ケアを専門とする人が、この甚大な被害をみて、被災地を気遣い、自主的に行動しようとすることは何ら矛盾しません。大切なことは、私たちは、ケアを専門とする者として、被災地を自発的に気遣わずにはいられない、その気持ちと行動を形にしていくことです。今は現場を持っていて、すぐには行動できないとしても、永遠に行動できないわけではありません。けあぼらは、少しずつでも、息長く気遣い続ける気持ちがあり、そのために行動する準備をしているケアワーカーがいることを、被災地の仲間に示す手段です。
けあぼらが求める人
けあぼらが求めるのは、ケアを提供して収入を得ているかどうかにかかわらず、ケアする相手の目線でともに考え、動ける人です。自分の仕事や活動とは別に、少しでも被災地の支援にかかわりたいと思う人は、ぜひけあぼらに登録してください。登録したからといって必ずしも連絡があるとは限りませんが、かけつける準備があることを示すことにも意義はあります。